賃貸では口約束でも契約になり得るか

口約束でも契約になり得るか

 

「賃貸契約各論」 項目

1.「契約書は必須と言えるのか」

2.「口約束でも契約になり得るか」

3.「契約書に記載しておくべき特約等」

4.「契約書で交わした約束はどこまで有効か」

5.「定期借家契約と普通借家契約の違い」

6.「違約金契約の有効性」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士・宅地建物取引士

吉田 重信

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契約書の項目でも説明したことだが、
基本的に契約とは当事者同士の意思の合致によって成立する。(民法522条)

様式は特に要求されていない。

 

したがって、口頭での約束でも契約として成立しうると考えるのが一般的だ。

 

しかし、口約束は交わした事実が現物として残らない。

それゆえに書類を作成しておいた方がよろしいという結論になるわけだが、
この結論はもう一つ影の事情が存在するという証でもある。

 

 

すなわち、口約束は後々の水掛け論等のトラブルになりやすいということだ。

 

 

現物が残っていなければ約束があった事実を証明しようがないから、
原則、約束の存在を主張する側は口頭契約が問題となる事例では勝ち得ない。

 

しかし、これはあくまでも法的にはという話だ。

実際の管理業務では、借主に法的に勝ちうるかだけで物事を判断してはいけない。

 

約束したり、約束のように見えたりした事例において、
モノがないのだから知らないなんて対応をしていたら取り返しのつかないトラブルになる恐れもある。

 

こういった事態を避けるためにも、
借主との間で入居後に新しい取り決め等をした場合には書面化しておくことが望ましい。

お互いの思い違い等を防ぐためにも、必要なことだろう。

 

これは仮に契約内容を変えたりするような積極的なものではなく、
事実状態の承知や権利義務の明確化等の消極作用においても言えることだ。

 

例えば設置物の管理や造作に関するものだね。

こういったものは、いざそれに対して債務が発生したりした時に特に揉めやすいんだ。

 

その時になって「あれはそっちの管理物だろう」などと言ったところで、
その取り決めを証明できなければそれまでの話。

 

 

 

 

こういった事例においては、大家側が口約束によるババをくらいやすい立場でもある。

物件に定着させた造作物は、
対外的には大家の管理物のように見えるからな。

 

責任が未確定、不明確な状態で放置されたりすれば、
結局、最終的には物件管理者が処理しなければならない事態に陥る場合もある。

 

だから消耗品や機材の入れ替え等の日常的に流動していくようなものであったとしても、
契約に明確な取り決めがないのであれば書類提出をしてもらう形にした方がいい。

 

施工が必要になるような事例であれば、
所有者の承知は業者から必ず求められることになるからそんなに心配はいらないだろう。

様式に従って、承諾書をもらってから作業するのが当たり前になっている。

 

しかし、借主自身が持ち込んだりするような機材については、
借主から自己申告でもなければ目の届きようがない。

 

そういった点をあらかじめ入居時に潰すのが契約事務の主要目的でもある。

 

契約は意思のみで成立はするが、
それを管理してゆくためには実地での打ち合わせが必須ということだね。

 

 

 1.「契約書は必須と言えるのか」

続き 「契約書に記載しておくべき特約等」 

 

 

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