契約至上主義では回らない賃貸管理業
「管理する上での心構えと考え方」 項目
3.「契約至上主義では回らない賃貸管理業」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
![]()
![]()
![]()
借主の契約不履行や義務違反について、
必罰意識を持っているような管理者の人もいるだろう。
確かに示しという面においては甘い顔をしていてはいけないが、
管理業では全ての行為について徹底的な追及を行っていては回らないという側面もある。
見逃せとか言っているんじゃなくて、緩急というか、柔軟な対応は必要ということだよ。
確かに契約時に約束したことだろうが、
扱う人やその人の性格に依存する問題でもあるんだ。
だから納得の上で入居したからといって、
全ての面で自分の思い描いた通り円滑に話が進んでいくとは思わない方がいい。
例えば、共有物の管理や玄関先の片づけに関すること等だね。
広義的に言えば善管注意義務違反の話になると思うのだけれど、
こういった生活面で当然に起こり得ることをその都度、指摘して回っていたらキリがない。
当然、限度ってものがあるからずっとそのままである場合は言わなきゃいけないけれど、
さしあたってしばらくの間は様子を見ておくことも必要だろう。
その都度に違反行為を指摘して、責任を追及したりするのはやめておいた方がいい。
そこで賃貸契約自体を終わりにするのであればそれでもいいが、
今後も継続してゆくことを望んでいるのであれば、そこまでやってはいけない。
借主は自分の家とか、仕事場としてそこを借りているんだよ。
だから、あんまり口うるさく言い過ぎたりルール至上主義の運営をしていると、
結局、最終的には借主が窮屈に感じて出て行ってしまう。
それは貸主だって望まない結末だろう。
だから、自分の管理物であることには違いないけれど、
ある程度は借主にも自分の家や事業所を管理している感覚を持たせた方がいい。
実は、そっちの方がうまく回るケースは多いんだ。
逆に常に管理者が手綱を握りっぱなしだと、
借主にはやらなければならない義務感しか残らない。
それがかえって、いいかげんな対応につながったりする場合もあるわけ。
なあなあで済ませておけばいいとかじゃなくて、
多少は借主の自己判断に委ねるという度量も必要ということだね。
その上でどうしても問題が起こるようであれば、
その時は改めて注意するくらいの感覚でいた方がいいだろう。
ただし、これに関しては一つだけ例外がある。
それはお金に関することだ。
この辺はルーズさが最終的な権利義務にも関わってくる上に、
一度なあなあで済ますとその後もいいかげんな対応につながりやすい。
生活面では必要以上に張り詰めないようにする必要があるけれど、
家賃や修繕費とかの債務については、期限通りの履行がなかった場合は指摘していく必要がある。
これは後々のことを考える上でも重要なことなんだ。
いざ、我慢の限界を迎えて急にやろうとしても、
既に相手の感覚がズレている状態ではそのままズルズルと先延ばしになりかねない。
それだけ待ってくれたってことは、
以後も待たせても大丈夫みたいな感じになるからな。
それに定期的な金銭債権は、時間が経てば経つほど雪だるま式に増えていくことになる。
一度滞らせた者がまとめて支払えるようになることなど、極めて稀だ。
ここまでいってしまうと、
もう訴訟をするなりして強制的にどうにかしなければならなくなる。
いきなり最初から法的な権利主張なんかのドギツいやり方をする必要はないけれど、
借主にはそれだけはダメだという感覚は常に持ち続けてもらわなければならない。
生活上で多少は融通を利かせたとしても、
金銭面の緊張感まで失くしてしまったら賃貸という大前提までが崩れてしまうだろう。
wrote. サンハイツ吉田