賃貸はいつまで借りていられるのか
「入居者との関係性について」 項目
2.「賃貸はいつまで借りていられるのか」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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基本的に賃貸の貸借期間に上限はない。
民法では賃貸借上限を50年としている規定もあるが、
借地借家法では建物の賃貸借において上記既定の適用を否定している。
したがって、当事者同士が契約で定めさえすれば、
実質的にはどれだけ長い期間であっても有効な契約とすることができる。
民法604条(賃貸借の存続期間)
賃貸借の存続期間は、五十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。
2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五十年を超えることができない。
借地借家法29条(建物賃貸借の期間)
期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
2 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百四条の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。
しかし、長期の契約は中途解約等に至った際のリスクがあることを忘れてはならない。
中途解約には違約金が絡む場合もあるし、
契約の概要によっては定められた要件をクリアしないと解約できない場合があるからだ。
ひとまず法の理屈は置いておくとしても、
長い期間に渡る契約はそのプロセスで様々な問題が起こり得る。
場合によっては、考え方や事情が変わったりすることもあるだろう。
そうなった際に、長期の契約期間はお互いの足かせとなってしまう。
なので、やはり一般的な賃貸契約においては、
通例通りに2年、3年程度の明確な期間を定めた上で行うのがベターだろう。
なお、賃貸の期間については上限だけでなく、下限についても論じておかなければならない。
普通借家契約の場合、期間が1年未満の契約については有期契約ではなく、
「期間の定めのない契約」とみなされる。
これは上記の借地借家法29条による強行規定だね。
したがって、仮に当事者同士で契約していたとしても、
この下限を下回る期間の有期契約は全て同じ取り扱いをされることになる。

これによってどんな問題が起こるのかというと、期間の有名無実化だ。
期間の定めのない賃貸借は明確な期限がないゆえにいつでも解約を申し入れることができるが、
それによる解約の効力は申し入れをしてから6か月後に訪れる。
この解約予告期間も強行規定なので、契約による排除や短縮は認められない。
なので、当事者同士で1年未満の短い有期契約を結んでいたとしても、
実質的には無期限契約と同じような扱いになってしまう。
一般の賃貸契約が2年~3年物として取り扱われているのは、
その扱いを回避するためでもあるね。
契約期間のまき直しと更新料の兼ね合いから見ても、
明確な有期契約としておいた方が後々のトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
これの例外として存在するのが定期借家契約だ。
定期借家は上記の例外だから、
1年未満の契約であったとしてもそういった扱いにはならない。
ただし、定期借家契約は更新を前提としている普通借家契約の例外として設けられた制度だから、
契約時と解約時の手続きには特別の要件が設けられている。
そこをクリアしておかないと定期契約として有効に成立しないから注意が必要だ。
特に期間においては1年以上の契約であった場合、
遅くとも期限の6か月前に契約の終了予告をしておかなければならない。
なんにせよ、自主管理する側としてはあまり例外的な対応はしないことだよ。
期限等の取り扱いについてはこれまでの様々な事例における積み重ねがあって、
今の2年程度での取り扱いが業界内でのデフォルトになっている。
そこから外れた上でカスタマイズする制度も用意されてはいるが、
それをちゃんと要件に合わせて取り扱うためには、やはりそれなりの勉強しないとな。
専門家に相談することも確かに有効な手段ではあるが、
自分で判断できる程度の知識がないと、借主からの問い合わせに対応できない。
自主管理物件は、管理者の管理能力がそのまま物件への信頼に直結する。
そういうところから関係に綻びが出るような場合もあるから、
自主管理するのであれば人任せの対応は極力避けるようにした方がいいだろう。
wrote. サンハイツ吉田