賃貸契約書で交わした約束事はどこまで有効か

契約書で交わした約束事はどこまで有効か

 

「賃貸契約各論」 項目

1.「契約書は必須と言えるのか」

2.「口約束でも契約になり得るか」

3.「契約書に記載しておくべき特約等」

4.「契約書で交わした約束はどこまで有効か」

5.「定期借家契約と普通借家契約の違い」

6.「違約金契約の有効性」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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賃貸の契約書の一般的なひな型では、
基本的な権利義務の取り決めについて書かれているだけのものがほとんどだ。

当然、実際の契約ではそれをそのまま使ったりせずに、
各人において自分なりのカスタマイズを加えて利用することになるだろう。

 

しかし、実際の契約に使う契約書では、
そのカスタマイズにおいて、貸主借主の個人的な事情を組み入れることも少なくない。

法的な権利義務というよりも、個人的な約束事みたいな感じでだね。

 

契約書に書き込むこと自体は自由だけれど、
そういった訓示規定みたいな約束事が、契約上でどこまで効力を有するかは気になる所だ。

 

訓示規定的な取り決めというと、例えば物件の掃除であったり、
借主が持ち込んだものの取り扱いやその管理に関する取り決めとかだね。

実際の入居時には、そういう持ち込み物を物件に設置したりするケースもある。

 

 

洗濯機なんか、いい例だろう。

あれを部屋の中で使っちゃいけないとかも、契約書で決めたりする場合もあるんだよ。

 

 

約束を交わすこと自体は自由として、問題はそれが法的な効力を有するのかどうかだよね。

 

 

結論から言うと、こういった個人的な約束事も法的な効力を有する。

 

これは契約自由の原則、ひいては私的自治に通ずる考え方だね。

私人間での契約は当事者同士の意思が可能な限り尊重されうるものだし、
約束事を交わしたのであれば、それに対しての期待値は否定されるべきではないからだ。

 

もちろん、約束が違法なものであったりする場合は別だけれど、
一般的な約束事については、交わした事実をもって法的な判断要素として機能する。

 

ちょっと一般的には馴染みの浅い感じになってしまったけれど、
「判断要素として機能する」なんて回りくどい言い方をしたのにも訳がある。

個人的な約束事自体は有効だけれど、これについても程度の問題はあるからだ。

 

例えばだけれど、極端な話、
違反したら罰金一億えーんとか書いても、それはそのまま有効になるとは言い難い。

実際に約束を破ったことによって発生した損害については賠償責任が発生するだろうが、
その約束にどこまでの法的効力が認められるかは個別案件になる。

 

したがって、こういった場合は、
個人的な約束事はその判断において作用しうる「要素」となるに留まるということだ。

 

 

なんか、ややこしい話になっちゃったねぇ。

 

でも、契約はひな型に従っていなきゃ有効にならないわけじゃなくて、
当事者同士で内容を自由に決められること自体に違いはないよ。

ただ、有効になるにしても、その約束の内容によっては扱いが変わってくるものもある。

だから、各個人で契約の条項を加える際には、
その約束が破られた際にどういった話になるかをイメージしておいた方がいいだろう。

 

賠償問題になり得る話ならば、賠償金額の予定を決めておいた方がいいのか、とか、
使い方を守ってくれないのであれば、契約の存続をどうしてゆくのか、とか。

そういうリアルな面における約束の履行を想定しておけば、
自分達が交わす約束事の性質と、その取り扱われ方にも予測がつけられるはずだ。

 

結局、争いごとになっちゃうんじゃあ意味がないからね。

 

そういう点を先回りして、初めからトラブルにならないように訓示しておくことも、
契約書の重要な役割の一つなんだよ。

 

 

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