連帯保証人をつけておけば安心か
「連帯保証人と保証契約に関すること」 項目
4.「連帯保証人をつけておけば安心か」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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実は連帯保証契約は連帯保証をさせるために交わす契約ではない。
誤解も承知の上で大雑把な物言いをするが、
この契約の本質は往々にしてそういった面も有する類のものでもある。
こう言われてしまうのは実際問題として保証事故が起こった場合、
連帯保証人に請求しに行っても、二つ返事では支払われないような実態があるからだ。
当然、ウチの物件でそんな事故は引き起こしたことはないが、
僕が行政書士として別件で見てきた事例ではそんなケースはいくらでもある。
これは仮に連帯保証人が主契約者の身内であったとしても、だ。
実際に金を出さなければならない事態に陥った際に、
黙って支払ってもらえるようなケースは稀だと思っておいた方がいい。
ただ、もちろん締結した連帯保証契約は有効だから、
最終的には裁判所に申し立てた上で債務名義をもらって強制執行という流れになる。
しかし、個人でそこまでやれる余力があるところは稀だろう。
仮にやるとしても、かなりの手間と労力と精神的負担を負うことは避けられない。
実態とは無関係の人間との間に紛争を抱えるのって、かなりキツいことなんだよ。
当然、相手も黙ってはいないしな。
だから、ハナから連帯保証をアテにして契約をするのは間違っていると思う。
じゃあ契約すること自体に意味がないのかというと、そんなことはない。
この契約においては債務の担保以外に、
主契約者の身元と信用を探るという目的もあるからだ。
この点はなぜ大家は連帯保証人を求めるのかの項目でも触れたところだね。
個人の場合は、身元を保証しても良いという直近の身内との重いつながりがあるか。
法人の場合は、債権債務が主契約者と牽連関係にあるかどうか。
そういったところをしっかり見ておくことで、
主契約者の身元と権利義務に関する信用度をより明確にしてゆくことができる。
早い話、どこの馬の骨かもわからないような人や法人を、
連帯保証人でございと連れてこられたところでなんの保証にもならぬということだ。
少なくとも、ウチではそれでOKは出さない。
事故が起きた際は、まず間違いなく逃げられるからね。
他人なんて、どんなに仲が良かったとしても鉄火場ではそんなもんだよ。
だから厳密に言えば、連帯保証人を用意したからといってそれだけでは安心できない。
その机上の空論に実際に血を通してゆくには、
キツい思いをして乗り越えてゆかねばならない壁がかなりあるからだ。
そして前述の通り、ただ連帯保証契約をしたというだけでは実質的にはなんの保証にもならない。
ちゃんと理屈上でも実態上でもお互いの信用を担保し合える者でなければ、
賃貸の連帯保証人としては意味がない。

この点は金貸しとかとの明確な違いだね。
回収という視点だけで回せる金貸しと違って、
賃貸は初めから争うことを前提として権利関係は定められない。
一過的なやり取りだけで関係が終わるものとは違うんだ。
使うことよりも、使われないことがまず前提の制度なんだよ。
そういった意味でも、連帯保証契約をしたというだけで安心できるわけではない。
wrote. サンハイツ吉田