既存の賃貸契約を別人に引き継がせる際の注意点

契約者を変える場合の注意点

 

「契約の客体にまつわる注意点」 項目

1.「契約者を変える場合の注意点」

2.「法人に貸し出す場合の注意点」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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賃貸では入退去だけでなく、
一般的に想定していないような事態が起こることもある。

 

借主の変更もその一つだ。

これは借主が個人の場合は早々起こることでもないが、
法人であったりすると意外と起こり得る。

 

会社の身売りや吸収合併なんかが、その典型例だね。

大抵の契約では借主が変わる場合は裁量権を大家に委ねる形にしているのがほとんどだから、
そこで承知せずに賃貸借を終了させるのならば大きな問題にはならないだろう。

 

しかし、実際のところは客体が変わってもそのまま借り続けてもらうケースが多く、
その場合は元々の借主の権利義務関係をどのように新借主に引き継がせるかが重要となる。

 

一般的な場合だと、敷金債権の引継ぎや設置物に関する義務等。

これらは借主が変わることによって権利義務の客体が変わるものだから、
変更を承知する際には必ず一筆取っておくべきだろう。

 

その他の面においては原契約の条件を引き継ぐ形にし、
更新時に改めて契約を取り交わす形にしているケースがほとんどだ。

 

ただし、連帯保証人はそのままにしたりせず、
借り換えを承知する前に保証人本人に確認を取っておいた方がいい。

理由は言うまでもなく当事者同士は納得していても、
保証人は借り換えの事実を知らなかったりする場合があるからだ

 

保証人が承知するのであれば一筆もらっておき、
承知しないならば新しい保証人を連れてきてもらうようにするのがベストだろう。

それを借り換え承認の条件として、契約を引き継がせればよろしい。

 

もちろん契約の主体が変わるわけだから、
承認時には改めて契約を巻きなおすのが本来的なやり方ではある。

 

でも、それだと契約期間中での変更となった場合に更新時期の点で問題が出てくる。

安易な期間の巻き直しは期間契約の形骸化にもつながるから
この点は賃借権もれっきとした財産権であると自認して甘い対応は避けるべきだ。

 

 

最後に、借り換えに関して最も重要なことに触れておく。

 

それは、原状回復に関する問題だ。

 

元の借主は当然、入居前の状態を把握しているだろうし、
入居前の立ち合いでも説明して承知の上で入居しているだろう。

しかし、新しい借主は事実上、入居前の物件の状態を知らない立場だ

 

もっと言うと、入居時の原状回復の合意については、
前借主からの伝聴や書類上による説明以上の現物は出し得ない。

それゆえに、原状回復や管理物の責任については、
借り換え後に発生するトラブルが非常に多いポイントでもある。

 

これに関しては借り換え時にはどうにもしようがない話である以上、
大家側の方で最初の借主が入居する前の写真や情報をしっかり記録しておく必要があるだろう。

 

もし、用意していなかったのであれば、借り換え自体は断ってしまった方が無難だね。

知らない、というのももちろんあるけれど、
しらばっくれられるという事態は充分に考えられるからだ

 

本件はあくまでも個人ではなく法人に貸し出ししていることを想定して話をしているが、
住んでいるわけでもない場所ってのは、思っている以上にいいかげんな対応をされやすい。

入居後に起こる問題への対処法で書いた電気料金等未払いの事件も、
前借主が法人であったケースで起こったものだ。

 

だから、これは大家側が警戒して、
あらかじめ備えておかなければならない問題なんだよ。

 

法人のように代表者や担当者が変わることがありえるような客体では、
特に注意しておかなければならないな。

 

 

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