契約書と重要事項説明書の違い
「重要事項説明に関すること」 項目
2.「契約書と重要事項説明書の違い」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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不動産契約においては契約書と、
それに伴う重要事項説明書はなじみの深いものだろう。
契約書は賃貸をはじめとする不動産契約では原則として必須であり、
重要事項は仲介をする宅建業者には資格のある宅建士による説明が義務付けられている。
これは裏を返せば、仲介を介さない契約の場合は重説は義務ではないということでもあるな。
だから自主管理で自己契約をするような物件では、
契約時に重要事項説明を行わないような場合も考えられるだろう。
ウチはトラブルを防ぐためにも簡易的なものではあるが、
一応、説明は行うようにしている。
が、あくまでもこれは義務ではないということだな。
借主が混乱し易いのが、この二つは契約時に交わされる書類の為、
契約と重説とは一体なにが違うのかという点だね。
これについては不動産契約という概念への理解を深めることで解き明かせると思う。
不動産契約は民法上の契約に該当する。
これはすなわち、当事者同士の合意によって成立させる法律行為の一環ということだ。
互いにどういった期間、金額で、どういった約束の下でその場所を貸し借りするのか、
そういった賃貸の大元を合意する行為を「契約」という。
民法522条(契約の成立と方式)
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
実は冒頭で契約書は必須なんて書いたけれど、
契約書自体は契約を成立させるための要件とはされていない。(条文2項参照)
理屈上は当事者の合意のみでも契約は成立させられるんだ。
ただ、当然、そんなやり方で放置していたら、
なにか問題が起こった際には言った言わないの大きなトラブルになる。
契約書はそういった水掛け論をあらかじめ潰し、
互いの合意の証として残すために当事者同士で交わされるものだ。
それゆえに、他人が地所を間借りするような不動産契約では必須とされている。
実際には口頭でも成立させることはできるけれど、
そんな危ないやり方をしている物件はほとんど聞いたことがないな。
身内が借りる場合とかだったら、あり得るかもしれないがね。
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これに対して重説は当事者同士の合意ではなく、
契約の対象となっている物件の概要に対する説明を指す。
それ自体が契約を成立させるための要件とはされていない。
書面を交付しようがしまいが、説明をしようがしまいが、契約の効力自体に問題はないんだ。
ただ、前述の通り、仲介業者には宅建士による説明が義務付けられているから、
これに反した業者に対する罰則規定が定められている。
しかし、これについても契約の効力に直接関係するものではない。
これは重説というものが、あくまでも契約という法律行為に対する付帯義務に過ぎないからだね。
物件まわりの事実関係に関する一方的な説明、告知であって、
当事者の話し合いで内容を決めたりするものではない。
合意の証の契約と違って、当事者の意思が介在しないところが大きな違いだ。
説明や告知を行う部分は大まかな説明になるが、
物件の構造や法令上の制限、インフラまわりや契約の内容に関する説明等。
基本的にその物件を使っていく上で、
知っておくべき物件の性質に関する概要や注意等が重点的だね。
その事実を当事者に説明、告知して、未然に起こり得るトラブルを防ぐのが重説の役割だ。
それを行う上で交付されるのが、重要事項説明書。
契約書との違いは前述の通り、
それ自体が法的効果を担保しているわけではないという部分だ。
あくまでも告知義務として課されている故に行うのが重説という面もあるね。
行う目的自体も契約を成立させるためと、
トラブルの防止のためと、両者には明確な違いがある。
仲介業者にとっては契約も重説も通過儀礼の流れ作業だから、
契約時にオタオタしていると、なんの話をしているのかわからない内に終わってしまう。
だから、両者の違いは事前に理解しておくに越したことはないだろう。
目的の違いをちゃんと理解しておけば、
きっと両者は入居後に起こり得るトラブルを未然に防ぐ礎となるはずだ。
wrote. サンハイツ吉田