完璧な契約書など存在しない
「賃貸運営の実態」 項目
3.「完璧な契約書など存在しない」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士・宅地建物取引士
吉田 重信
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賃貸の契約書を作成するにあたっては、
起こり得る問題点を全てカヴァーできるようなものを望む人も多い。
これは大家にしても借主にしても同じことで、
あらかじめ塞げるものにはフタをしてしまいたいという希望から来る欲求だろう。
しかし当然のことながら、初めから全ての穴を塞げるような契約書など存在しない。
それができるのであれば、この世に法的紛争なんかほぼ存在しないはずだからね。
契約書に記載してある文言は権利義務の確認と合意の証であって、
お互いの宣誓やお願い等の法的効果の伴わないようなものを表記したりはしない。
これは表記はあくまでも一般的なものであって、
互いの細かな事情まで斟酌して内容を検討するものではないということだ。
もちろん、事例に合わせて内容に手を加えたり、表記を増やしたりすることはある。
書いてあるものに関しては基本的に法的効果が伴うものだし、
法的効果を伴わせるために書いておかなければならない文言も当然存在するからね。
しかし、そういった場合でも、
やはり権利義務に関するもの以外は細々と表記したりはしないのが一般的だ。
契約書は法的に問題が起こった際には解釈の足掛かりにもなるものだから、
それに認否の余地を加えかねない無関係な表記は、極力控えておいた方が無難だろう。
契約書は互いの権利義務の合意の証として残すものなのだから、
表記に関してはあくまでも権利義務に限ったものにしておくことが健全だ。
これはすなわち、賃貸におけるトラブルの未然防止は契約書ではなく、
お互いの常識に依存する部分が大きいということなんだな。
これは契約至上主義では賃貸管理は回らないとした、先項目に通ずる話でもある。
結局のところ、ものの貸し借りは民事の話だから、
最終的には当人達の腕力に依存してしまうような面もあるわけだ。
だから、どんなに前もって書面とかで約束しておいたとしても、
当事者が意固地になってしまったりすると大きな問題に発展してしまう場合もある。
大事なのは書類への表記ではなく、
言わずもがなの部分に関する常識が当事者達に備わっているかどうかなんだよ。
前項目で論じた家賃の支払いもしかり、過度な管理行為もしかり、ね。
そういった面も含めた上で、
大家も借主も相手をよく見なければならないということだな。
契約書をバッチリ整えたとしても、起こり得るトラブルにフタをできるわけじゃない。
賃貸の当事者はそれを踏まえた上で、
お互いを気遣っていける間柄でいなければならないな。
これに関しては、どちらの立場が強いとかの話じゃあないんだ。
権利意識が高まっているこんな時代だからこそ、
「情けは人の為ならず」という諺の意味をしっかりと理解しておく必要があるだろう。

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wrote. サンハイツ吉田