大家が負担しなければならない原状回復費用とは

タダで済むわけがない借主の入退去

 

「賃貸運営の実態」 項目

1.「タダで済むわけがない借主の入退去」

2.「積もり積もった負債は挽回できない」

3.「完璧な契約書など存在しない」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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近年、敷金に対する意識の高まりもあって、
退去時の清算にはガイドラインに沿った対応をするのが当たり前になっている。

 

いや、元来、借主に全部おっ被せられないのは当たり前なんだけれどね。

ガイドラインのような目安となる基準が曖昧になっていた面もあって、
過去には原状回復名目で借主に全て負担させたりしているのが珍しくなかった。

 

しかし、今はこんないいかげんな話は通らないだろう。

実際の状況を見てガイドラインに照らし合わせた上で、
請求すべきところとそうでないところを明確にした対応が求められるようになっている。

 

ここで請求する金額が相対的に少なくなったのなら、
原状回復にかかる費用も減ったということじゃないのかという疑問も出てくるだろう。

 

しかし、それとこれとは話が別。

実際問題として、一度利用された賃貸をそのままの状態で次に貸せることは少ない。

 

金と手間暇をかけてリセットした上で、
ようやく次の募集をかけられるというのが現実なんだ。

ただ、それに対する費用負担の責任や割合が明確化されたから、
前述のように借主に一律負担してもらうようなどんぶり勘定は許されない。

 

したがって、借主に請求できない修繕費用は必然的に貸主が負担することになる。

 

 

 

 

短い期間で出て行かれると困るという大家の訴えは、そういった事情からだね。

貸主は経年劣化分の負担を念頭に置くと、
それをペイできるだけの収入が伴わないと事業として成り立たないからな。

 

どうしても全て借主に負担してもらいたい場合は、
それに向けた特約を賃貸契約時に締結しておく必要があるだろう。

一般的な原状回復義務の表記では、
借主に通常使用による摩耗への負担は課せられないとするのが判例だからだ。

 

 

(最判 H17.12.16)

賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負うためには、賃借人が補修費用を負担することになる上記損耗の範囲につき、賃貸借契約書自体に具体的に明記されているか、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識して、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約が明確に合意されていることが必要である。

 

 

まぁ、判例なんて大仰なものを持ち出したりするまでもなく、
全てのリセット費用を当たり前のように借主に負担させていたことがどうかしていたんだよね。

それが慣習のようなものとして存在していた時期もあっただろうが、
認められないとはっきり結論が出ている以上、今後は襟元を正した対応が要求される。

 

賃貸は今や大家だけでなく、借主の事情と協力もあって成立する事業になりつつあるから、
これまでのような貸主本位のやり方は時代錯誤として淘汰されてゆくだろう。

 

大家は法律だけでなく、時代と需要の変化に対しても対応してゆかねばならないということだ。

 

 

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wrote. サンハイツ吉田

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