法律問題か社会問題かを見極めよ
「管理する上での心構えと考え方」 項目
1.「法律問題か社会問題かを見極めよ」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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賃貸に限った話じゃあないが、
なにか問題が起こったりした際にすぐ法的な対応を求める人がいる。
これは本人だけのせいではなく、周りがそうやって焚きつけてしまっているような面もあるね。
でも、一般的な人との間でのやり取りで、
法を主軸にして話をしようとしたりすることは稀だ。
もちろん、表に出さずとも背景では法の作用が働いているわけだが、
極力、そういった主張はせずに話を円滑に進めるのは社会人としての能力の一つでもある。
だから仮に入居者となにか協議しなければならないことになったとしても、
いきなり法の規定を持ち出したりはしないようにな。
そうしておくことで、終局的なトラブルにせずに終われる事例は山ほどあるんだ。

はっきり言うが、素人にしても弁護士にしても、
初手から法律問題と決めつけてかかるようなヤツは無能だよ。
それによって、かえって事件でなかったものも事件になっている。
余計な「常識」をインストールされてしまうと、頭でっかちな対応しかとれなくなってしまう。
本来、お互いに折り合いをつけるだけで済んだような話でも、
損得のみで考えなければならないような法律問題としてレールを引かれてしまう形だな。
事件になれば「法律問題であった」という自身の主張の裏付けにもなるから、
そりゃあ「アドバイス」している連中からしても困らんだろう。
結局のところ、法を持ち出すってのは勝ち負けで物事を見ようとしているからなんだよ。
賃貸関係では、初手からそんな視点で判断しちゃあいけない。
相手がそれを望んでいるというのならば仕方がないが、
少なくとも大家は自分からそういう話にしようとしちゃあいけないんだ。
もちろん、取り付く島もないような事例もあるだろう。
でも、それは貝になっているというだけで、
実質的には借主が法的な対応を望んでいるのと同義。
話し合う事すら拒否するってのは、そういうことなんだよ。
だから、そういった場合は例外として、自らの法的対応を検討するのもいいだろう。
しかし、対話による解決の間口は常に探っていかなければならない。
実は賃貸トラブルと離婚におけるトラブルはよく似ている。
本来的には法律問題ではなく社会問題なんだよ。
どうにもしようのない事例においては法律による解決の糸口は設けられているが、
それによる解決がデフォルトとして想定されているわけじゃない。
契約自由の原則にしても、私的自治が広く採用されていることにしても、
賃貸関係では互いの折り合いによって運用されていくことが望まれているんだ。
だから法律を持ち出したりする前に、他の解決法はないかを徹底的に探るようにな。
法による解決ってのは、実は安易な発想なんだよ。
自主管理においては、もっと他の部分で頭を使える余地は残っているはずだ。
wrote. サンハイツ吉田