賃貸を住居として取り扱うことの難しさ
「時代背景による対応」 項目
2.「賃貸を住居として取り扱うことの難しさ」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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賃貸における「居住権」の扱いにくさは近年、増してゆく一方だ。
これは貸主側から見た話なんだけれど、
住居として貸した場合における借主の権利保護が強力すぎるんだよ。
裁判とかでも理由があっての立ち退きなんかよりも、
借主のこれまで借りていた期間や経緯の方が優先される傾向にある。
もちろん、家賃を長期に渡って支払っていないとかなら話は別だけれど、
そういった契約不履行の事例でもない限り、基本的には実態面が重視されがちだ。
最近でも、なかなかに強烈な判決が出てきたけれど、
こういった結論を見てしまうと、住居として貸すのはやはり委縮してしまうよな。
朝日新聞デジタル様より引用
慣れ親しんだ長屋「死ぬまでここに」 立ち退き拒んだ女性に司法は
https://www.asahi.com/articles/ASRCS6H2JRCGPTIL017.html
まあ、この判決は幼いころから長年居住してきた実態と、
終の棲家として転居したくないという事情を勘案した上でのことだろう。
転居先を用意すればそれで済む話ではない、という点は理解できなくもない。
ただ、その上で貸主がどこまですれば協議を尽くしたと言えるのかの基準が見えてこないから、
やはりこういった判決は貸主にとっては脅威以外の何物でもないよな。
だから、物件の貸し渋りが起こるのも当たり前のことだと思う。
あとは、初めから住居としては貸さなくなるか、か。
ウチは事業用専門の上に定期借家契約にしてしまっているから、
ここまでの事態にはそうそう陥らないかと思うけれど、それでも警戒しちゃうよな。
居住権の取り扱いについては今になって言われ始めたことではないけれど、
ここ最近ではずっと借主強化の流れにある。
住居に対する保護が甘くなると、理屈上、野におっぽり出せるようにもなってしまうから、
借主側に落ち度でもない限りは意に反して出て行かせることはできないのは仕方がない。
ただ、不動産を管理する側には安全管理上の責任や、
そこで死なれたら事故物件になって資産価値が下がる等の経済的な事情もある。
だから、これに対してはなんらかの対抗政策が必要だろう。
現実としては、前払い家賃や高額な保証金等で回している物件もあるみたいだけれど、
長い付き合いになる場合はそれだけではカヴァーしきれない。
貸主に借主の身内や親族であるかのような後見レベルの義務まで課す昨今の傾向には、
やはり違和感を感じざるを得ないな。
貸すことがリスクにしかならないのならば、そこに市場は成立しないと思うんだよね。
wrote. サンハイツ吉田