火災報知設備の設置、整備は全てが貸主の義務とは限らない

火災報知設備の設置は大家の義務か

 

「設備関係の取り扱い」 項目

1.「付帯設備はどちらが負担すべきか」

2.「火災報知設備の設置は大家の義務か」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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火災報知設備の設置は賃貸物件においても義務付けられている。

これは2006年の消防法の改正によって、全ての住宅がその対象となった影響だね。

 

この設置及び整備は、実務上では物件を所有している大家が行っているのが一般的で、
基本的に借主がどうにかしなければならないものと考える必要はない。

なので、特別な事情があるわけでもないのならば、
火災報知設備への対応、負担は大家に任せる形を取って差し支えないだろう。

 

ただし、これにも例外はある。

実は消防法上の義務は物件の「関係者」のものと定められていて、
それを履行する者を一方に限定はしていない。

 

 

つまり、この義務は大家側が行わなければならないものとはされていないんだ。

 

ゆえに、契約上で借主負担と定められていれば、その合意に従うことになる。

 

 

また、そもそもの火災報知設備自体が、借主の都合で設置されているような物件もある。

 

これは物件の都合によってではなく、
借主がその場で行っている事業の都合で設置することになったようなケースだね。

こういった場合も、管理物の基本に立ち戻って借主が負担するのが一般的だ。

 

借主は自分の持ち家ではないからといって、
物権上の義務を免れるわけではないので、ここは注意しておくべきだろう。

 

 

消防法

第十七条

学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従つて、設置し、及び維持しなければならない。

 

第十七条の三の三

第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

 

 

また、大家側も油断は禁物だ。

こういった勘違いしやすい点を奇貨と考え、
オーナーが変わった際等に借主の義務を貸主に転換しようとするような事例もある。

 

大抵が不動産屋が絡んだケースだね。

今時の不動産仲介業者は借主側につく場合が多いから、
貸主に対してこういう舐めたようなことをするような業者が後を絶たない。

 

ただ、れっきとした権利義務関係の更改に関わる事例だから、
いいかげんなやり方で合意なんか取っても意味はない。

場合によっては、詐欺にもなり得る。

 

業者の突き出してきた書類なんか見てみても、
適当な処理の仕方をしているものが多く見られるから、決して過信はしないことだ。

 

消防法についてどうしても理解不足な点があるようであれば、
最寄りの消防署に聞きに行ってみるのもいいだろう。

普段、外部のお客さんが少ないみたいで対応慣れしていない様子も見られるけれど、
質問にはしっかりと答えてくれるから心配は無用だ。

 

不動産屋なんかに確認を取るよりも、はるかに確実だよ。

 

 

わからないことがあったら、役所に聞きに行く。

 

不動産関係にしたって、確定申告とかにしたって、皆、そうだろう。

民間の人間から聞く言葉には、利益性が絡んで当然だからな。

 

気軽に聞けることなんかよりも、
確実な答えが聞ける場所に自分で聞きに行く癖をつけておいた方がいい。

 

賃貸経営だけじゃなくて、全ての経営においても言えることだ。

 

 

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