賃貸契約での信頼関係はどんな場合に破壊されたと言えるのか

賃貸契約での信頼関係とは

 

「大家と借主との関係」 項目

1.「賃貸では借りる側が強い?」

2.「更新するしないは自由?」

3.「賃貸契約での信頼関係とは」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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賃貸契約の基礎は当事者同士の信頼関係の下に成り立っている。

 

これは仲良くしましょうねとかそういう一般的な話ではなくて、
法律用語としてのお話だ。

もちろん、貸主借主は共に仲良くすべきなのは当然だけどね。

 

ここではそういう大前提の話はひとまず置いておいて、
賃貸契約での信頼関係というものについて観念上の話をさせてもらう。

 

信頼関係とは偏に、互いの承知だろう。

これは契約法理全般にも言えることで、
当事者が互いに承知していることについては原則、法は立ち入らない。

 

所謂、私的自治の原則というヤツだな。

 

逆に考えると、承知無き行為や態度については法も一定ラインをおいて、
その許容性を判断する余地があるということだ。

 

このラインを賃貸契約上では、背信性という。

 

背信性とは、読んで字の如く、信頼に背を向ける行為を指す。

 

有り体に言えば、裏切り行為だな。

 

賃貸で契約を打ち切る側として議論に上げられるのは貸主側だから、
ここで言う背信性とは貸主に対する借主の裏切り行為と捉えるのが正しい。

 

借主はそもそも賃貸契約の拒絶では制約をつけられていないからね。

貸主から借主への背信行為は議論するまでもない話なんだ。

 

賃貸契約はその根幹が当事者同士の信頼があって成立しているものだから、
それを欠いた状態での契約を存続させておく法的意義は乏しい。

したがって、借主の背信行為によって信頼関係が破壊されたと言えるような事例では、
法も貸主からの契約解除を許容している。

 

離婚なんかでの破綻主義に近い考え方だね。

 

つまるところ、賃貸契約での信頼関係とはその外形のことではなく、
行為の背信性によって判断されうる許容指数ということだ。

そしてこれらを逆説的に捉えると、
単純な契約違反のみが信頼関係の破壊につながるわけではないということでもある。

 

 

これ以上、観念的な話を続けてもイメージが沸きにくいだろうから、
以下、少々判例を交えて通して話をさせてもらう。

 

最高裁判例では背信性の判断は本質的な義務違反行為のみではなく、
契約上で発生する信義則違反によっても判断されうるものと判示している。
(最判 昭和47年11月16日)

 

つまり、一般契約上の義務に違反していないことだけをもって、
信頼関係の破壊を否定する要素を構成することはできないというわけだ。

 

たまに家賃さえ払っていれば信頼関係は破壊されないとか言う者も見かけるけれど、
これはとんでもない勘違いだな。

 

物件の使い方や管理義務違反行為の積み重ねでも、
背信性ありと判断される余地はある。

 

 

まぁ、理屈の話はこの辺にしておこう。

背信行為を行わないことは大前提の話だが、
賃貸で一番大事なのはそういった議論を差し込まずに済むようにすることだからね。

 

借りている者の常識としてやるべきことをやってさえいれば、
こんな話は難しく考えるまでもないことだな。

 

 

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