定期借家契約と普通借家契約の違い
「賃貸契約各論」 項目
5.「定期借家契約と普通借家契約の違い」![]()
wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
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昨今では不動産流通事情の変化とそれを取り巻く判例の傾向に伴い、
これまで通りの契約形態を採用しない物件も増えてきた。
定期借家契約もそれの一環で、元々この制度自体が、
年々厳しくなる賃貸事情を考慮して、流通の円滑化を図るために施行されたものだ。
これはどういうことかというと、
定期借家契約は一般の普通借家契約とは違い、更新が前提とされていない。
つまり、決められた期間を経過したら自動的に契約終了となるので、
契約の更新関連で揉める要素がない。
ここは大家側にとっては定期の一番大きなメリットだよね。
また、施行の背景から考えて、今後、定期借家契約が争われたとしても、
借主側の事実状態を重視するような判決が下るとは考えにくい。
普通借家契約と差別化されている事実を考えても、
敢えて定期にしている契約において実態面が考慮される可能性は、やはり低いと考える。
無論、その事実状態を長い期間に渡って放置したりした場合は別だろうがね。
リスキーな面が少ないってのは、昨今の賃貸法律事情を勘案すると、
貸す側にとっては非常に魅力的な制度だと言えるだろう。
しかし、定期借家契約は有期契約である以上、
普通借家契約のように当然に更新がされるわけじゃない。
契約の形態上、期間の延長については再契約といった形になるのだけれど、
そうなると更新のように簡易的な意思表示のみでは済まないケースがあるので注意が必要だ。
また、期間が決められている以上、借主としてもそこを区切りと考えがちになるから、
継続性の面においては貸主にとっても不安定になることも考えられるよね。
一般的には2年から3年契約になると思うんだけれど、
そうなると一期で退去されてしまったら原状回復だけでも結構大変だ。
そういった契約だからこそ、住居として利用することを想定している場合等は、
借主にリスクを抱えさせることになるから警戒されてしまう面もあるだろう。
だから、この点については各案件において個別の工夫が必要だよね。
こうしておけば大丈夫、という確約された継続性が確保できない点については、
定期借家契約のデメリットだと思う。
しかし、それは普通借家契約においても厳密に考えれば同じことだから、
これはそんなに大きなセッションとはなり得ないだろう。
借主が出て行くことについては、どちらも自由なんだからさ。
定期は原則として期間中に解除はできないようになっているけれど、
逆に期間を過ぎたあとの後腐れなさについては借主にとっても同じだからね。
双方が継続したいという意思の合致を要するフェアな点については、
本来的な賃貸契約としての健全性を見出せるから、そこはうまく利用すべきだ。
ただ、実際問題として、定期借家契約は住居に関しては不向きな面もある。
継続が不安定な場は、当然、家として使うのを躊躇される。
ウチは定期借家契約を採用しているけれど、これは事業用賃貸と割り切っているからだ。
やっぱり住居として定期を採用するのであれば、
借主が納得できるようなメリットを別口で用意する必要があるだろう。
自分で自由に工夫した上で、顧客の利便にも答えていけるのであれば、
定期借家契約はカスタマイズ可能な機動性のある契約形式として有用だ。
これからの賃貸経営では、うまく利用していくべきだろうね。
wrote. サンハイツ吉田