念書に法的効力はあるのか どんな風に書けばいいのか

念書に法的効力はあるのか

 

「トラブルへの対応」 項目

1.「入居後に起こる問題への対処法」

2.「口頭注意は意味のない行為なのか」

3.「和解は必ず書面にしておくこと」

4.「念書に法的効力はあるのか」

5.「特約をトラブルにしないためには」

 

wrote. サンハイツ吉田 管理者

行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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結論から言うと、念書は仮に私文書であったとしても法的効力が認められる余地はある。

 

しかし、それはあくまでも法で許容されている範囲内であれば、という留保付きでね。

 

念書を作成する際、大抵の人が書類の様式を気にするようだ。

正しい書き方はどんなものか、と、
ひな型なんかを一生懸命に集めたりする傾向が見られる。

 

でも、実務では念書の様式はあまり問題とされない。

もちろん、法的に要求されている項目とかはちゃんとクリアしなければならないけれど、
それはあくまでも内容に関するものがほとんどだ。

 

大まかな概容は決められていても、様式については意外と自由にできるようになっている。

 

これは私人間で交わす契約書や念書だけでなく、
一般的な法律手続きにおいても、大抵のものがそのようになっている。

 

法律論はつまるところ、机上の理屈だからね。

理屈に実態を伴わせるのは、当事者が自分でやるのがこの国ではセオリーだ。

 

答弁書なんかは細かい様式までは決められておらず、
主張する要件事実に符合した内容が整っていさえすれば自由に書くことができる。

 

 

したがって、ひな型をたくさん集めてそれを参照したところであまり意味はない。

 

様式で念書の効力が変わったりするわけじゃないんだ。

 

 

ただし、内容が伴っていなければ当然、法的には有効にならない。

そういった念書は「合意した」という事実の証明にはなっても、
合意の効力に法的担保を与えてくれるわけじゃない。

 

紙切れ、とまでは言わないけれど、
証明されるのは日付とお互いにその日に書類を作成したという事実だけだろうね。

 

ものは使いようとも言うからそれはそれで使い道はあったりもするが、
あくまでも法的効力を望むのであればそれだけでは不十分だ。

 

 

じゃあ、内容についてはどんな点に気を付けるべきかというと、

 

 

・違法でないか

・公序良俗に反しないか

・法律でその合意が禁じられていないか

 

 

大まかに言って、この三点だ。

 

結局のところ、内容ってのはその合意が法的に有効なものかどうかが問題なんだよ。

法的に無効とされている合意は、
どんなに蜜月に和解して念書を作成していたとしても法的に有効にはならない。

 

違法なものについては、論ずるまでもない話だろう。

奴隷契約や違法行為を前提とした合意等は、紙に残したとしても効力はない。

 

大抵、問題になるのが後の二つで、
公序良俗に反するものや法律の強行規定に反するものは法的には無効となる。

 

例えば賃貸ではよく契約更新が問題になるけれど、
普通借家契約では更新は行われるのが原則とされている。

仮に合意に至らずとも法定更新が強行規定で認められている以上、
更新の余地のない普通借家契約の存在は許されない。

 

したがって、当事者同士であらかじめ「更新はないものとする」などと合意していても、
それは強行規定に反する合意として無効になる可能性が極めて高い。

 

こういった場合は定期借家契約等の別口の契約類型で対処する必要があるだろう。

 

 

上記はわかりやすすぎる事例かもしれないが、
一般的な合意においてもこのNGラインに触れてしまうようなケースは少なくない。

例えば家賃の変更は念書で決めることもできるが、
著しく不合理な額だったりすると、公序良俗に反するものとして無効になる恐れもあるわけだ。

 

念書に関してはちゃんと法的に有効になる余地のある重要な私文書なんだけれど、
内容が要件に伴っていなければ本当にただの「約束紙」になってしまう。

 

管理業務上では法的に権利義務を確定させることだけが解決法ではないから、
それはそれで使い道がないわけじゃないんだけれどね。

 

しかし、あくまでも目的が法的に有効なものにすることなのであれば、
やはり専門家に相談した上で作成した方が無難だろう。

 

 

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